助産師の石鹸ケース

ドイツ生まれ、時代を超えて輝き続けるジャーマンシルバー製の石鹸ケース「Die Hebammen〜Seifendose」。

シンプルなのに使い勝手がよく、その輝きは気分も上げてくれる、スタイリッシュな逸品。

130年前に小さな衛生革命を起こした「助産師の石鹸ケース」が、エレガントな「携帯用の石鹸ケース」として現代に甦りました。

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)

ジャーマンシルバーは、銀に似たその美しい輝きから、高価な銀の代替品として、宝飾品やカトラリーなどによく使用されていました。

その輝きは手にする度に気分を上げてくれますが、Die Hebammen~Seifendoseが現代に蘇ったのも、実はその輝きがきっかけでした。

大学博物館での発見

ドイツのクリスティアン・アルブレヒト大学キールの医学史コレクション、展示番号 2008・003・017 として、その石鹸ケースは長年気づかれずに眠っていました。

ケースの四隅は程よく丸みがあり、「Seife」という文字が蓋に装飾加工されただけのシンプルなケース。

しかし、ある日、この展示品を目にしたエンジニアは、少なくとも数十年は経っているのに変色や錆びがどこにもなく、銀色に輝き続けているそのケースに目を奪われました。

そして、この美しいケースの探究の旅が始まったのです。

小さな衛生革命

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)助産師のスーツケース

資料調査の結果、もともとはドイツにある助産専門店 Gottlob Kurz 社が1893年に開発した、助産師用スーツケースに含まれていた石鹸ケースだったことが判明しました。

自宅出産が当たり前だった当時、衛生状態の改善が叫ばれており、助産師は仕事に必要な医療道具をすべて持参する必要があったのですが、その中には固形石鹸も含まれていました。

そのため、このスーツケースは助産師のニーズを完璧に満たしてベストセラーとなり、中には例の石鹸ケースと固形石鹸1個がしっかり含まれていました。

当時、缶づくりは手作業が当たり前の高級品でしたが、SCHULER 社によって機械加工技術が市場に新しく導入された時期だったことも、手頃な価格で(当時の助産師の月給相当)専門的な医療ケースを大量に提供できる追い風となりました。

1896年にはドイツ助産婦協会から賞を授与されたほど、この石鹸ケースとスーツケースが与えた影響は大きく、小さな衛生革命となりました。

現代のエンジニアがこれを手にした瞬間、このようなものを再び製造する必要があると感じたのです。

素材探索の旅

しかし時代が進むにつれ、医療分野で石鹸が消毒に使われなくなり、Gottlob Kurz 社でも石鹸ケースは製造されなくなっていたため、同社の過去100年間の資料調査を行なっても、ケースの製造業者に関する詳細情報は得られませんでした。

見た目が似た素材としては銀メッキが施されたブリキやステンレスが考えられましたが、磁性がないことからブリキ製ではなく、1912年に開発されたステンレスは当時まだ存在しません。

そこで素材探索の旅と製造方法の試行錯誤が始まり、失敗を繰り返しつつも、最終的には蛍光顕微鏡による材料分析により、ジャーマンシルバー製であることが判明。

歴史的流れを汲んで「Die Hebammen~Seifendose(助産師の石鹸ケース)」と名付けました。

素材

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)

ジャーマンシルバーは堅牢であるため、プラスチック製のように簡単に割れません。

空港で雑な手荷物の取り扱いをされても、スポーツバッグから落としてしまっても、壊れにくいです。

優れた耐食性もあるため錆びにくく、表面をコーティングされた安価な金属缶と異なり、合金ゆえに表層が剥げる心配もありません。

デザイン

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)

石鹸ケースのデザインは「手頃な価格で耐久性のある医療道具を構築する」という目的からほぼ自然に生まれたと考えられます。

耐食性と堅牢性を持つジャーマンシルバーという素材から、19世紀に最も適していた製造技術(深絞り加工)を使って、石鹸ケースを作り出す。

そして深絞り加工では、四隅が直角だと裂けてしまう恐れがあるため、自然と曲線を描くことに。

つまり石鹸ケースの丸い角は、デザインの結果ではなく、最適な素材と最善の製造プロセスの組み合わせから自然と生じたのです。

こうして生まれたデザインは、扱いやすさ、心地よい手触り、手入れのしやすさにも貢献しています。

かつて石鹸は高級品だったため、今日のものよりも小さく、必然的にケースも小さく、持ち運ぶのに便利でした。

とはいえ、今日の固形石鹸には幅が狭すぎるため、実用面を重視してサイズを微調整し、現代の多くの固形石鹸サイズに合うように改良しました。

レトロなようで新しい。

機能美と造形美が融合した、壊れることのない小さなケースで保護されるので、お気に入りの固形石鹸をどこへでも持ち運べます。

ドイツ職人の手によって1点ずつ丁寧に磨かれ、光沢が増すように加工されています。

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)エンボス加工

蓋にはドイツ語で石鹸を意味する「Seife」という文字装飾が施されているため、上下(蓋と本体ケース)も一目で分かりやすい。

そして軽量とはいえ、プラスチック製ほど軽くはないため、髪や身体を洗う際にシャワーホースが当たっても、簡単に落っこちません。

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)

Die Hebammen~Seifendoseのモデルは古いものであっても、環境には最新の配慮を払っています。

  • 原料の80%超はリサイクル素材を活用
  • 工具の動力は太陽光発電により生成
  • ドイツ国内で製造を完結しているため、製造時の輸送過程における環境負荷を軽減
  • 梱包箱には再生紙を利用

そして長くご愛用いただける点からも、サスティナブルな逸品です。

ドイツ職人により1点ずつ丁寧に作られており、上下をひっくり返しても蓋が落ちないほど、蓋とケースがピッタリと合わさります。

そのピッタリ具合ゆえに、もし蓋をしにくい場合、本体ケースの側面を少し押していただくと、蓋しやすくなります(ジャーマンシルバーはバネ特性あり)。

持ち運びに便利な蓋付きで、手のひらにおさまる使いやすいサイズ感。

キャンプ飯をを作るときも、お子さんが野山を駆け回った後も、いつでもどこでも手を清潔に。

旅行先や出張先のホテルでのバスタイムに、いつものお気に入り石鹸があれば、リラックス度も増します。

顔にも身体にも使える固形石鹸は、荷物がコンパクトになるのも嬉しい。

固形石鹸なら、飛行機に乗る際の液体物の機内持ち込み制限にひっかからないため、保安検査場で没収される心配もありません。

さらに、脱プラスチックの時勢から、国内外問わず、アメニティの提供廃止となるホテルが増えており、今後は持参する機会も多くなりますが、ジャーマンシルバーの輝きは、5つ星ホテルで利用する際にも気分を上げてくれます。

ジュエリーにも使われる素材なので、うっかり外し忘れたアクセサリー置き場にも。

ジムなどでたっぷり汗を流した後は、スッキリ爽やかな香りで包まれようか、甘いフローラルな香りで包まれようか。

お気に入りの石鹸を2~3個小分けに入れて、その日の気分で使い分けるのも楽しいですね。

外出先だけでなく、ご自宅の洗面所や浴室に置いていただいても、素敵なインテリアの一部に。

Die Seifendose(ザイフェンドーゼ)

ジャーマンシルバーの特徴

ジャーマンシルバーは、ニッケルシルバーとも呼ばれる、亜鉛・ニッケル・銅から構成される合金です。

非常に耐食性に優れ、その名の由来である光沢のある外観など、多くの点で本物の銀に似ています。

ただし、長時間にわたって水分や石鹸成分に触れ続けることによって、銀と同様にパティナ(経年変化による変色や緑青)が生じることがあります。

しかし、素材そのものがダメージを受けるわけではなく、表層にパティナの層が形成されます。

この層によりジャーマンシルバーの耐久性が高まり、バクテリアの繁殖も抑えられるので衛生的です。

ただし、誰もがこのパティナを好むわけではありませんので、下記のようにお手入れしていただくと、石鹸ケースが長く輝きます。

お手入れ方法

【内側】
使用後はタオルやティッシュペーパーなどで水滴や石鹸を拭き取ってください。ケース内に緑青が生じた場合は拭き取るだけをお勧めします。

【外側】
変色した場合、銅製品や真鍮製品に使えるクリーニングクロスで磨いていただくと、輝きを取り戻します。

緑青に関するよくある疑問

緑青とは銅の錆びのことで、「緑青は有害」と長年言われてきましたが、厚生省(現:厚生労働省)も昭和59年(1984年)に「緑青は普通物」と判定し、毒性は全くないことがわかっています。

残念ながら今でも誤解は払拭されていませんが、ケース内に緑青が生じても問題なくご利用いただけます。

美しい輝きを放つので、大切な方への贈り物にも最適。

旅行やアウトドアが好きなご友人や、ジムやサウナで汗を流すのが好きなご家族へのプレゼントとして、いかがでしょうか。

「助産師の石鹸ケース」なので、「出産祝い」に添えていただくのも素敵ですね。

ハンドメイドのため、
サイズに多少の誤差がございます。

水漏れはしませんか?

上下をひっくり返しても蓋が落ちないほど、蓋と本体ケースはピッタリと合わさりますので、大きな水漏れの心配はございません。

ただし、完全密閉ではございませんので、持ち運ぶ際はケースごとビニール袋などに入れていただく方が安心してご利用いただけます。

100gまでの固形石鹸なら、必ずスッポリと入りますか?

100g以下でも、横幅があるタイプや円形タイプですと、収まらない場合がございます。

例えば、カウブランドの青箱(85g)は収まりますが、赤箱(90g)は横幅が数ミリ大きいため収まりません。

必要に応じて石鹸をカットしていただくと、収まりやすくなります。

カットしていただくことで、香りや成分が異なる複数の石鹸を一度に持ち運ぶことも可能です。